「コネ採用」宣言は何が問題だったのか?見逃し危険!ソーシャルリクルーティングに関する法律の話

2012/03/06    カテゴリー: ソーシャルリクルーティング



「コネ採用」宣言は何が問題だったのか?見逃し危険!ソーシャルリクルーティングに関する法律の話

ソーシャルリクルーティングは、着実に活性化しつつある採用方式です。しかし、ソーシャルリクルーティングは、人事労務に関する分野であるため、考慮すべき法律があることが忘れられがちです。

そこで今回は、ソーシャルリクルーティングに関連する法律に関してまとめます。

岩波書店、「コネのある人」宣言は何が問題だったのか?

人材業界にとって、久々の話題となった岩波書店の採用方式についてのニュースが出たのが2月2日。

岩波書店
http://www.iwanami.co.jp/company/index_s.html

翌日には、小宮山洋子厚生労働相が閣議後の会見で、岩波書店の採用条件について「早急に事実関係を把握したい」と公的に発言したことで、さらに物議を醸し出したことは記憶に新しいでしょう。

結果的には、2週間後となる2月17日の閣議後の記者会見にて、「現時点では問題ではない。何かに違反しているわけではない。」と発言したことで、とりあえず終息しました。

本件は、一体何か問題だったのでしょうか?

本質的な課題 「法律の遵守」

ネット上では、「縁故採用」という今回の騒動に対して様々な意見が飛び交っていました。

こうした議論のほとんどが、「縁故」や「コネ」という言葉を、血縁や宗教上のつながりを連想させる英語の「nepotism(縁故主義、縁者[身内]びいき)」という意味で受け取り、「縁故採用という採用手法自体は、是か非か」に終始していました。

一方、今回の厚生労働省の一連の行動は、「縁故採用のみが対象で、一般応募は不可」という限定的かつ排他的な「印象のあった」リリースに対して、「平等な雇用機会を提供すべき」という原則に逸脱していないかを確認するためのものでした。

人と人のつながりを活用する!ひとづて採用「リファーラルリクルーティング」とは?」という記事でも紹介しましたが、「人と人の信頼関係をもとにした求職・採用活動」は、国内の年間求職者のうち23.4%にあたる93万人が利用する、日本経済の活性化にとって、非常に重要な手法です。

 

■転職入職者の入職経路(2010年/新規就業者は含まない)
転職入職者の入職経路
[出展]2020年の労働市場と人材サービス産業の役割
社団法人全国求人情報協会、社団法人日本人材紹介事業協会、社団法人日本人材派遣協会、社団法人日本生産技能労務協会という人材ビジネスを代表する主要団体で設立された「人材サービス産業の近未来を考える会」が発表した年間求職における縁故を締める割合

 

一方、アメリカ企業では従業員採用において、実に69.1%の企業が戦略的にリファーラルを活用しています。さらにアメリカでは、多くの大学院が受験者に推薦状を求めたり、転職時には数名からのリファレンスを求めることが一般的であることを考えると、人材業界は今後も、「人づて」の転職・採用活動を、より一層盛り上げていくべきです。

Jobvite
[出展]Jobvite Social Recruiting Survey Result 2011

ただし、このソーシャルリクルーティングという新市場を盛り上げていくために、遵守すべきことの一つが法律です。

SNSを活用した採用手法であるソーシャルリクルーティングは、昨今の起業ブームや、インターネットの浸透により、非常に手軽で、簡単にスタート、運営できると思われることもありますが、それは、まったくの過ちであり、大きな落とし穴です。

たくさんの遵守すべき、国内の法令一覧

ソーシャルリクルーティングに関連してくる主な法律には以下のようなものがあります。

改正雇用対策法
地域雇用開発促進法
労働基準法
労働組合法
労働関係調整法
労働者災害補償保険法
国営企業労働関係法
雇用機会均等法
雇用保険法
労働安全衛生法
失業保険法
職業安定法
労働者派遣法
高年齢者雇用安定法
など

上記以外にも、少しでも関連するであろうものまで取り上げると、まだまだたくさんあります。つまり、これほど多くの遵守すべき法が国内には存在しているのです。

もちろん、戦前から大きな変更を行っておらず、グローバル化する近代経済においては、配慮すべき条項をもつ法律や、現実には即しにくいものも存在しますが、我々人材ビジネス事業者は常に、これらのルールが存在する前提で、常に学び、改善していく必要があります。

ソーシャルリクルーティングを推進する重責と価値

1日のうち、多くの時間を費やす「仕事」や、生活基盤の糧となる収入を得るための「職」を扱うことを生業とするためには、重責をもって取り組む必要があります。

特に職に携わるビジネスでは、企業に関する情報はもちろん、個人のプライバシーを含めた大量の情報を扱うことになるため、個人情報保護法などに関連する法律に基づいて厳格に運営し、しかも細心の注意を払って対応していかなければなりません。ソーシャルメディアを使うのであれば、適切に運用するためにソーシャルメディアポリシーも綿密に作成する必要があり、またユーザーにも公開することも求められるでしょう(参考:http://www.social-recruiting.jp/archives/4568

人材ビジネスは国内だけでも9兆円以上あるとみられています。これは、近年著しい成長をみせているソーシャルゲーム市場の実に20倍以上の市場規模であることからも、この市場の一部がソーシャルシフトすることは、大きなビジネスチャンスがあるだけでなく、今後の日本経済にとっても非常に大きな価値と意味を持つということができます。

2008年前半までの人材ビジネス事業者の成長はすばらしく、携わるものは皆、未来に可能性と希望をもって取り組んでいました。その後は、リーマンショックや、最近では震災、激動する世界経済など、様々な不安要素がありますが、ソーシャル化による市場規模を考えると、今後の日本経済にとって大きな価値があることは間違いありません。

我々人材ビジネス事業者は、法令など現状の国内を取り巻く環境を理解し、より良い、付加価値の高いソーシャルリクルーティングサービスを生み出す使命があります。

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