2012年「ソーシャルリクルーティング」の動向予測!注目したいキーワードはこの3つ!

改めまして、あけましておめでとうございます。
「ソーシャルリクルーティング元年」となった2011年。
2012年は、より一層の採用のソーシャルシフトが起こる1年になるでしょう。
今回は、2012年のソーシャルリクルーティング市場がどのように進化、発展するかをソーシャルメディアの動向と共に当社独自に予測します。
特に注目したいキーワードは「ソーシャルメディアの使い分け・新サービスの乱立・人事担当者に求められるスキルの高度化」の3つです。
ビジネス目的のソーシャルメディア活用の浸透
Facebookが現在の成長率を2012年も維持した場合、国内のPC訪問者数は3,000万人を超えます。さらに、携帯、スマートフォン等のモバイル端末からのアクセスを勘案すると、より多くのユーザーを獲得します。
また、2011年は、mixiやFacebook、Twitterは主としてプライベートな空間、情報収集、コミュニケーションツールとして利用されていましたが、2012年はソーシャルメディアのビジネス利用を目的にした活用が飛躍的に伸びる1年となります。
具体的には、企業活動のグローバル化、就業者のセルフブランディングに対する意識向上により、ビジネスパーソンのLinkedInの本格的な活用が、国内でも高所得者の方々から広がります。
(参考:各メディアの世帯年収分布 ⇒リンク)
さらに、ソフトバンクがGoogle Appsを全社導入することを発表(⇒リンク)するなど、「Google Apps」は、日々ユーザー数を拡大しています。これに伴い、Google Appsに連動したソーシャルメディアであるGoogle+の法人利用も広がります。
2012年に注目されるソーシャルメディアとしては、アメリカでFortune500に選ばれた企業のうち80%が利用している法人向け社内SNSである「Yammer」があります。
その他、国内で飛躍的にユーザーを拡大させているSalesforceのオプションとなる「Chatter」は、Salesforceユーザーにとって、なくてはならない価値あるソーシャルメディアとなります。
ソーシャルメディアの使い分けが一般化
1990年中頃のほぼすべての証券会社のアナリストレポートでは、携帯電話は「重くて、高価、通話時間も短く、音質最悪。そんな携帯電話が普及するはずがない。普及台数は、よくて2000万台。」と指摘されていました。
しかし、その後の技術的革新や、キャリア間競争による価格破壊、通話以外の機能の充実等の要因により、今日では携帯電話・PHS契約数合計でなんと、ほぼ国民人口数と同じとなる1億2862万台(⇒リンク)まで普及しています。
これと同様のことがソーシャルメディアにも起こります。
2011年には、複数のソーシャルメディア活用について、「そんなにたくさんのソーシャルメディアを管理できない、使えない、使わない」というのが定説でした。
しかし、2012年には各メディアの利便性向上、統合管理ツールの登場、マルチデバイス化などにより、ストレスなく複数のソーシャルメディアを活用できるようになります。
例えば、以下のような使い分けができます。
・プライベートの付き合いは「Facebook」や「mixi」
・ビジネス上でのネットワーク維持、セルフブランディングは「LinkedIn」
・専門的なコミュニティは、「Google+」
・情報収集や暇つぶしは、「Twitter」
・社員間での情報共有は、「Yammer」
・顧客に関する社内情報共有は、「Chatter」
・ゲームつながりとのやりとりは、「Gree」や「Mobage」
・スマートフォンでのチャットなら、「カカオトーク」
・位置情報でのやりとりなら、「eyeland」
今、ユーザーがワードとエクセル、パワーポイントを難なく使い分けるように、気分や用途に合わせてストレスなく、ソーシャルメディアをアイコンや、アプリで簡単に使い分けるようになります。
もちろん「Illustratorと、Photoshop、Dreamweaverの使い分けがよく分からない」人がいることと同様に、すべてのユーザーが使い分けられる訳ではありませんが、標準的なITリテラシーを持つユーザーには用途に合わせた使い分けが急速に進みます。
また、先日発表されたGartner Predicts 2012(⇒リンク)のとおり、多様化し増殖するソーシャルメディアも、2013年から2014年に予測されるソーシャルメディアへの投資バブル崩壊により、急速に統廃合される可能性は過去の歴史を見ても十分あります。
それを踏まえた上でも、2012年に限った予測としては、ソーシャルメディアの多様化が進み「使い分け」が一般的になります。
可能性が広がるソーシャルリクルーティング
「ソーシャルメディアを活用した採用手法」であるソーシャルリクルーティングも、ソーシャルメディアの劇的な普及・浸透に合わせ、急速に重要視される年となります。
2011年は、Facebookページのみの対応であった企業も、様々なソーシャルメディアに公式ページを保有する1年になります。
▼企業担当者はそろそろ準備を?LinkedIn「企業ページ(Company Page)」の作り方
http://www.social-recruiting.jp/archives/2305▼ミクシィ、「mixiページ」発表
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1108/31/news031.html
http://www.social-recruiting.jp/archives/2872▼Google、Google+の企業ページ「Google+ Page」をスタート
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1111/08/news020.html▼Twitter、ブランド向けプロフィールページを刷新
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1112/09/news034.html▼カカオトークが企業やブランド向け公式アカウント、日本で提供開始
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20111221/377152/
これらのようなソーシャルメディア内への企業ページ誘致を促進する機能は、多くのソーシャルメディアにとって法人企業が収益の源泉となる以上、これからも増えていくことになります。
もう一つの傾向として、異業種やスタートアップによるソーシャルリクルーティングサービスの新規参入も増えるでしょう。
現在は世界的に見ても、ソーシャルリクルーティングの確立された手法・サービスは存在しないことや、国内だけでも9兆円(⇒リンク)という膨大な市場があるため、様々な切り口での新サービス、機能が生まれ、切磋琢磨しながら成長することが見込まれます。
同時に、ソーシャルリクルーティングは、厳格な法律や免許を前提とする、個人情報を取り扱う人材サービスの一種であるため、たくさんの課題を突きつけられる1年にもなります。
増大する人事業務と高度化する採用業務
ソーシャルリクルーティングは、人事業務を簡便化するものでは一切ありません。
企業の実体を隠し通して採用できる時代は、終わりつつあり、今まで以上に社内環境や、従業員情報に関して透明化することが求められるようになっています。優秀な人材を採用するための施策として、エンプロイヤーブランディングを人事部としても企画立案し、働く人材にとって魅力的かつ働きがいのある職場にしていくことも求められるでしょう。
そして、日々進化し、発展途上中であるソーシャルメディアを活用し、対象となる求職者に対して、競合に先駆けアプローチ・訴求していく必要もあります。
さらに、これまでの筆記試験、面談といった選考プロセスに加え、ソーシャルメディア上で公開されている数多くの情報も合わせてその人となりを理解し、タフな交渉を実施する必要もあります。
2012年の人事業務は、最新のインターネット動向に精通し、最新のソーシャルメディアマーケティング手法や、リテラシー、情報分析術に長けた企業内でも非常に優秀な人が、今まで以上の権限を持った上で取り組むべき業務となります。
もちろん、ソーシャルリクルーティングは、既存の採用手法である求人広告や、人材紹介、人材派遣などを「100%」代替するものではありません。
これからも大量採用、地域特化、対象年齢に適した紙やネット、モバイルでの求人広告の活用は続くでしょう。また、非公開でのピンポイント採用、1次面談までの企業説明、動機付け業務、面談後フォローもアウトソースできる人材紹介、あるいは期間限定で即戦力を採用できる人材派遣などのサービスは、今後も企業にとって非常に重要な採用手法であり、今まで以上に進化していきます。
人事担当者は、投資信託におけるファンドマネージャーのように、限られた予算を割り当てるにあたって、採用対象を分析し、既存手法とまだまだ荒削りでもあるソーシャルリクルーティングへ適正に分配することが求められます。さらに、短期的採用実績と、中期的なノウハウ獲得のためのポートフォリオを設計する必要もあります。
まとめ:ソーシャルリクルーティング時代に即した情報発信でバックアップ
以上のように、2012年という短期予測としては、群雄割拠する各種ソーシャルメディアを活用したソーシャルリクルーティングの可能性が、無限に広がる1年となり、世界的に見ても今までに無い、まったく新しいサービスが生まれる試行錯誤の1年となります。
そして、ソーシャルリクルーティングの担当者は、今まで必要とされていなかったスキルや知識が求められるようになり、非常に多忙を極める1年となるでしょう。しかし、ヒューマンリソース領域におけるキャリアとしては、最もグローバルスタンダードに近づく重要な1年となります。
当ブログでは、今後とも採用のソーシャルシフトを後押しすることで、その企業自体が働く人材にとって魅力的かつ働きがいのある職場になるように、ソーシャルリクルーティングを盛り上げていく所存ですので、2012年もより一層のご愛読の程お願い申し上げます。
Image: jannoon028 / FreeDigitalPhotos.net

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