ファンの40%が求人に応募!活用ツールにも注目!「Hard Rock Cafe」のソーシャルリクルーティング事例

2011/12/22    カテゴリー: 事例紹介(海外・国内)



Hard Rock Cafe

先日、「[速報] 採用単価:1250円/人!Work for us が2011年度「最優秀ソーシャルリクルーティングサービス賞」を受賞!」というニュースを紹介しました。

受賞理由は、「Work for us」が、『Hard Rock Cafe』のソーシャルメディアを使った人材採用において、成功に大きく寄与したためです。

『Hard Rock Cafe』のソーシャルリクルーティングについて、調べてみたところ、Work for usだけに留まらず、その他のオンラインツールを活用して、戦略的に実施されたことがわかりました。

そこで今回は、『Hard Rock Cafe』のソーシャルリクルーティングの事例を紹介します。ファンを中心に求人情報を流すという戦略や、不採用だった人もファンでいてもらうための施策は、とても参考になります。

 

なお、今回の記事の執筆にあたっては、以下の記事とデータを元にしています。

▼Case Studies:
『Hard Rock Cafe』 − Work for Labs

▼Hard Rock Firenze Part 3: 120 Hires In 4 Weeks using #SocialRecruiting
http://recruitingunblog.wordpress.com/2011/04/01/hard-rock-firenze-part-3-120-hires-in-4-weeks-socialrecruiting/

ちなみに、『Hard Rock Cafe』は、グローバルに展開するアメリカンスタイルのレストランチェーンです。ハードロックをモチーフにしており、店内にはロックの名曲が流れます。併設されたアイテムショップでは、オリジナルグッズを販売しており、その店舗だけでしか手に入らない限定アイテムなどが、おみやげとして人気です。

『Hard Rock Cafe』のソーシャルリクルーティングのゴール

イタリアのフィレンツェ(フローレンス)に新規店舗をオープンするにあたって、人材をFacebook経由で募集することにしました。Facebookを選んだのは、既存のチャンネルでの募集効果が薄くなってきたためです。

『Hard Rock Cafe』 FirenzeのFacebookページ
『Hard Rock Cafe』 FirenzeのFacebookページ

via https://www.facebook.com/hardrockcafefirenze?sk=app_404596412628

 

『Hard Rock Cafe』という独特のカルチャーを持つ店舗にふさわしい人材を見つけることがゴールです。

ウェイターから経理担当者まで、8つの職種にわたり、120名を採用することを目指しました。

そして、もう一つ、フィレンツェに新店舗のオープンというニュースをファンの間で話題にすることもゴールでした。

店舗のFacebookページに求人票を掲載

フィレンツェの店舗のためのFacebookページを1から作成し、カスタマイズしました。これは、新店舗オープンの案内を中心にしたページです。

Facebookページのタブの一つに、ソーシャルリクルーティングアプリである「Work for us」を使って求人票を掲載しました。「Work for us」は、Facebookに掲載された求人票から、直接応募することができるアプリです。

「Work for us」による求人情報
「Hard Rock Cafe」Facebookページ

via https://www.facebook.com/hardrockcafefirenze?sk=app_404596412628

事前調査で広告ターゲットを選定

事前調査を行い、以下の4つの条件を満たすプロフィールを持つ人が1,900人いることを確認しました。

・ロックンロールが好き
・フィレンツェから100Km圏内に在住
・もてなす仕事、ケータリング、飲食店での勤務経験あり
・イタリア語が堪能

これらの条件を満たす人に、Facebookページの広告を配信し、集客しました。

このターゲット設定が成功し、Facebookページをオープンしてから、24時間でページへの「いいね!」が0人から1,000人になりました。さらに、その友達にも広まり、4日間で6,100人まで増えました。

店舗のFacebookページと求人募集のページを分けずに、同一のページにした理由は、『Hard Rock Cafe』では、レストランの常連さんと就職の応募者が同一であることが多いからです。

つまり、お店の熱烈なファンがそのまま従業員になるというケースがしばしばあったのです。

結果的に、ページに「いいね!」をした人の40%が求人に応募しました。

求人情報についての情報発信はウォールで

求人募集開始、募集終了のアナウンスは、Facebookページのウォールで行われました。

また、応募者からウォールに投稿された質問については、管理者が対応していましたが、次第にファンが率先して回答するなど、Facebookページ内でのエンゲージメントが高まりました。

4週間で4,000人からの応募

Facebookページへの「いいね!」の数は、Facebookページ開設後1日で1,000、4日で6,100、4週間で10,000と順調に推移していきました。

Hard Rock Cafe
Facebookページの「いいね!」の数の推移:
via Case Studies:『Hard Rock Cafe』 − Work for Labs より

 

そして、求人への応募者数も最終的に4,000人にのぼりました。

すべての応募は、採用チームによって査閲され、結果として700人が面接に進みました。

面接は、わずか3日間で行われました。

面接の予約はイベント管理ツール「Eventbrite」で!

さて、700人もの面接をどうやって管理したのでしょうか。

ここも注目のポイントで、『Hard Rock Cafe』では、イベント管理ツールの Eventbrite を使って、

面接を「イベント」として管理したのです。

Eventbriteは、チケットが無料のイベントについては、登録、管理などがすべて無料で利用できます。もちろん、今回の面接は参加無料のイベントになるので、費用を一切かけずに利用することができます。

イベントは、面接期間の3日間、午前9時〜午後7時までとして登録されました。そして1時間に20人まで登録可能なように、チケットを設定しました。

応募者には、メールでEventbriteの該当ページのURLが送られます。イベントページにアクセスすると、そこから直接自分の都合の良い時間を予約することができます。

予約すると、メールで面接の説明、面接会場の地図、そしてチケットが送られるようになっています。しかも、Eventbriteには、予約日の前日にリマインダーが送られるようになっています。

この施策により、メールで面接についての質問をしてきたのは、わずか15人にとどまりました。その他は、Facebookページのウォールで質問が投稿され、そのほとんどが他のファンによって回答されました。

動画のライブ中継で情報発信

応募締め切りから面接開始までの間、採用チームは、動画サービスの Livestream を使って、面接のプロセスや『Hard Rock Cafe』で働くことについての話を放送しました。

Livestreamは、Facebookアプリとして、Facebookページに組み込むことができます。これによって、Facebookページを使って放送時間を知らせたり、放送前や放送中に質問をFacebookから投稿してもらうことができます。

Livestreamで動画を放送
Hard Rock Cafe

via https://www.facebook.com/hardrockcafefirenze?sk=app_142371818162

120人を採用、不採用者でもタレントプールに

結果として、120名の採用を決定しました。さらに合格者以外の応募者たちについては、将来の求人募集の時に案内するためのデータベースに、タレントプールとして登録しました。

タレントプールの考え方については、こちらの記事を参考にしてください。

不採用や退職でサヨナラなんてもう古い!「タレントプール」が変える企業と求職者の新しい!つき合い方
http://www.social-recruiting.jp/archives/4200

不採用者もファンでいてもらうために

さらに、不採用になってしまった人たちには、新店舗オープン後に来店したときに、面接のチケットを提示するとドリンクが一杯無料になるサービスを提供しました。

こうした施策により、3,880人もの不採用者がいたにも関わらず、Facebookページのウォールにネガティブなコメントをする人はほとんどいませんでした。

むしろ、面接の機会を与えてくれたこと、将来の採用の可能性を示唆してくれたことに感謝する書き込みがたくさん投稿されたのです。

また、内定者からも喜びややる気に溢れる声がウォールに投稿されました。

低価格での採用を実現

さて、新店舗の人材募集のためのソーシャルリクルーティングに、結果としていくらかかったのでしょうか。

従来の採用方式では、新店舗のスタッフを集めるのにおよそ25,000ドルがかかっていました。

今回のFacebookのキャンペーンにかかった費用は、約2,000ドルで、従来の8%のコストになります。

ファン、一人獲得するのにかかった費用は0.2ドル、応募者一人獲得するのにかかった費用は0.5ドル、そして採用にいたった人を獲得するのにかかった費用は16ドルということになります。

Hard Rock Cafe

ファン、応募者、内定者獲得のためのコスト:
Case Studies:『Hard Rock Cafe』 − Work for Labs より

まとめ:今でもFacebookページでコミュニケーションを継続

新店舗の人材獲得、そして新店舗オープンを話題にするという2つのゴールを確実に達成した事例です。

なお、『Hard Rock Cafe』のFacebookページは、新店舗オープンのためだめでなく、今でも引き続きユーザーとのコミュニケーションの場として活用されています。

現在も新しい求人募集が掲載されており、多くの反応を得ています。

『Hard Rock Cafe』という知名度やファンの熱意を活かして、ソーシャルリクルーティングを成功に導いたことがこの事例からわかります。

もちろん、知名度のみに頼らず、情報発信や不採用者へのサービスも含めて、『Hard Rock Cafe』が行った戦略は、参考になるでしょう。

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株式会社grooves
池見 幸浩
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