「今あなたが働いている会社、友達に薦められますか?」エンプロイヤーブランディングに重要な5つの指標

「注目の企業PR手法! 「エンプロイヤーブランディング」とは何か」では、企業のPR手法の一つであるエンプロイヤーブランディングについて解説しました。
エンプロイヤーブランディングとは、
雇用主として企業という「職場」をブランディングしていくことです。
ソーシャルメディアが普及するに連れて、企業の評判やイメージは企業が発する広告などのメッセージよりも、その企業に関わった顧客や生活者、取引先などが決めるという側面が強くなりました。いくらきれいな広告を流しても、それが実態とかけ離れたものであれば、顧客は離れていきます。
企業の職場環境も同じです。いくら立派な求人広告を出しても、実際に働いている人が不満を抱えていたり、離職者が多ければ、その会社のメッキは簡単にはがれてしまいます。
そういう意味では、エンプロイヤーブランディングとは、まずは実際に働いている従業員の満足度を上げることから始まると言えます。
その企業をすすめますか?
ネットプロモータスコア(Net Promoter Score:NPS)という評価指標を知っていますか?
これはある製品について、自分が友達に薦めるかどうかを調査して、その結果から顧客ロイヤリティを測るものです。
単純に言ってしまえば、「薦める」と答える比率が多くなるほど、その製品は売れることが予測され、逆に「薦めない」という答える比率が多いほど、製品は売れなくなります。
人材採用に関しても同様のことがいえるでしょう。従業員に「今自分が働いている企業を友達に薦めますか?」と質問したときに、「薦める」と回答される割合、「薦めない」と回答する割合は、今後ますます企業の人材採用力に直結してくると考えられます。
求職者は皆、企業の求人広告だけでは、真実の企業の姿を見分けられないことに気づいています。Googleで企業名を検索してみると、「関連キーワード」として「評判」「ブラック」などと表示される企業があります。これから求職者や取引先などが、企業名と一緒に組み合わせて頻繁に検索している結果なのではないかと考えられます。
実際に「ブラック」というキーワードが関連キーワードとして表示される企業の評判を見てみると、サービス残業や低い報酬、経営者や管理者からのパワーハラスメントなどに不満を訴えっている場合が多くあります。こうした企業では、スキルや能力の高い人材を採用するのが難しくなっているのではないでしょうか。
「誰だ!こんなことを書いた奴は!これからはネットは禁止だ!」というのは、エンプロイヤーブランディングの正反対をいくことです。本当のエンプロイヤーブランディングとは、従業員が自ら企業を人に薦めたくなるくらいに魅力的な職場を作る努力をすることです。
「The Great Place To Work Institute」が重要視する5つの要素
前回の記事では、The Great Place To Work Instituteについて簡単に紹介しましたが、この組織では、従業員の職場についての意識調査を行っています。日本にも拠点があり、調査活動などを行っています。
この企業が評価するにあたって、重要な柱となるものは以下のように整理されています。
THE DIMENSIONS OF A GREAT PLACE TO WORK
http://www.greatplacetowork.com/what_we_do/dimensions.php
「信頼性」
管理者が従業員と、会社の方向性や計画について定期的に話し合い、従業員のアイデアを聞いていること。人材やリソースを効果的かつ効率的に調整することを含み、結果として従業員が自分たちの仕事が企業のゴールと関連していることを理解する。信頼性を高めるには、言ったことが行動にならないといけない。「尊敬」
従業員に仕事のために必要な設備、リソース、トレーニングなどを提供すること。良い仕事、努力などに報いることでもある。従業員に提供することで従業員を企業活動のパートナーにすること、部署を超えた協力の心を育むこと、安全で健全な職場環境をつくることなどを含む。尊敬とはワークライフバランスをスローガンではなく、実施することを意味する。「公平」
組織において公平であるということは、経営的な成功を報酬やプログラムなどを通して平等に分配することである。誰もが報酬を得られる平等な機会がある。採用や昇進の決定は公平に行われ、議論などは明確なプロセスを経て裁定し、分け隔てないようにする。「誇り」と「連帯感」
最後の二つは、関係だ。従業員と自分の仕事または会社の関係(誇りをもっているか)、従業員同士の関係(連帯感をもっているか)だ。
エンプロイヤーブランディングを考えるにあたっては、上記の5つのポイントが自社ではどれくらい達成できているかをまずは評価してみてはどうでしょうか。
なお、The Great Place To Work Instituteの日本支部でも、自社が従業員からみて「働きがいのある会社」かどうかということについて、調査を行うサービスを提供しています。高い評価の企業は雑誌などでランクが紹介されます。
この調査を通して、従業員の求めていること、改善ポイントなどを知ることができます。第三者機関による評価であるため、企業はそれをアピールポイントとして採用活動などに活かすことができます。
まとめ:友達の推薦や働く従業員の姿が職場選びのポイントに
経済状況がよくないこともあり、日本の企業の一部では、サービス残業、休日出勤などが横行しているという話をよく耳にします。実際に身の回りにも過労状態にある人も少なくありません。
果たしてそういった企業が今後ソーシャルリクルーティングが一般化し、企業の本当の姿が顕になったときに、求める人材を得られるでしょうか。答えはいうまでもありません。
急に何もかも変えることは難しいでしょうが、まずは経営陣の意識を変え、従業員の満足度という視点からエンプロイヤーブランディングを始めてみてはどうでしょうか。
Image:Idea go / FreeDigitalPhotos.net

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