HR業界にとってのITの5つの可能性

HRにITが加わることによって、どのような可能性があるのか。まずは、「リクルーティングの世界」に掲載された記事を振り返りながら、5つの視点で整理してみたい。
ソーシャルリクルーティング
ソーシャルリクルーティングとは、企業の採用活動にソーシャルメディアを組み合わせることだ。国内では、FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアを活用して採用に関連する情報を発信するといった手法が主流になっている。
ソーシャルメディア以前は一方向だった採用活動に関連する情報発信だが、ソーシャルメディアを活用することで、双方向で求職者とやりとりをするような運用をしている企業もある。
[参考リンク]
⇒ソーシャルリクルーティングに関連する記事
その他、YouTubeを使って会社を紹介する、会社説明会の様子をオンラインでストリーミング配信するといった活用もある。
[参考リンク]
⇒「このメンバーと働きたい!」と思わせるPR動画とは?企業の採用動画2014を集めてみた
求職者のオンラインの活動が採用につながる
企業の採用担当者が求職者の名前を検索して、オンライン上での評判を調べる。こうした採用時点でのチェックは、公式な採用ステップに取り入れている企業は少ないものの、担当者レベルで実施する企業は多い。
氏名検索によるチェックでは、過去の炎上の経験など、ネガティブな事象のチェックに利用されがちだが、ポジティブな方向でのチェックもある。それは特に分野を限定したサイトでのスキル評価が行われることがある。
例えば、エンジニアのためのポートフォリオサービス「Forkwell」は、個人のスキルや実績をアピールできるプラットフォームであり、スキルから人を探すことが可能になっている。
[参考リンク]
⇒Forkwellに関連する記事
その他には、ソースコードを公開できる「GitHub」、デザインやイラストを公開できる「Dribbble」「pixiv」「Tinami」などでの活動がスキルとして評価されることもある。
あるいは、専門領域に関連するブログを運用する個人が企業にスカウトされるという例もある。
企業の活動を求職者がチェックする
求職者のスキルがオンラインを使って評価されるのと同時に、企業もその活動や文化、社風などを評価されるようになった。
従業員からの企業の評価ができるサイト「Glassdoor」、「転職会議」などは、応募前にチェックすると評判が可視化され、応募するかどうかの判断に利用されている。
[参考リンク]
⇒残業時間、離職者数..企業の内情がよりオープンに?飛躍する「企業の口コミ&採用サービス」【まとめ】
その他、企業が広く情報発信をすることは、その企業の信頼性を高めることにもつながっている。オンライン上での情報発信を強化して、企業のブランディングをするエンプロイヤ−ブランディングはこれからさらに多くの企業が取り入れる活動となるだろう。
[参考リンク]
⇒エンプロイヤ−ブランディングに関連する記事
MOOCによる教育システム
大規模オンライン講座「MOOC(Massive Open Online Course)が世界的に話題になっている。従業員の教育がオンラインのコースを受講することで、時間や場所にしばられず、安価にできることは、従業員の教育に関するコストの削減につながる。
[参考リンク]
⇒【まとめ】大手からスタートアップまで国内でもオンライン学習サービスが急加速!「MOOC」とEdTechトレンド
こうした外部のサービスを活用するだけでなく、アメリカの企業では自社でMOOCを開発し、従業員の教育に役立てるという事例もでてきている。
デザイナーやクリエイターの派遣業を行うグローバル企業Aquent,では、「Aquent Gymnasium」というMOOCを用意し、新技術の使い方などを紹介している。
ロボットとAIによる新しい労働市場
ソフトバンクが発表したロボットPepperは感情認識機能を有する本格的なロボットとして注目を集めている。一部のソフトバンクショップに設置されている他、家庭用ロボットとしても販売される予定だ。
すでに工場ではロボットが働いている例もあり、業種によっては人間に変わってロボットが採用されるという将来も予測されている。IT化、ロボット化が進む中でHRの担当者はITまたはロボットの導入にするのか、人を採用するのかの判断が必要になるという以下の記事は大変興味深い。
[参考リンク]
⇒2013年「ソーシャルリクルーティング」の動向予測!注目したい新たなトレンドはこの3つ!
⇒ロボットと一緒に働く日もそう遠くはない?ヒューマノイドが変える未来と労働市場の変革
まとめ:進化するHR業界のこれから
今回は、「リクルーティングの世界」の過去記事を振り返りながら、変化しつつあるHR業界の現状について紹介した。
今後は、HR×ITの事例やトレンドなどについて取り上げていきたい。
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■ゲストライター 深谷歩/株式会社 深谷歩事務所 代表取締役 大学卒業後、研究調査事業のドキュメント企画、執筆などに従事。その後IT系メディアにて企画、編集、執筆などを行う。 2009年渡米、シアトルにてソーシャルメディアを学ぶ。2010年、帰国後Social Media Experienceを立ち上げる。2011年(株)深谷歩事務所設立。ソーシャルメディアやブロクを活用したコンテンツマーケティング支援を行う。著書:『小さなお店のLINE@集客・販促ガイド』『SNS活用→集客のオキテ』など。http://officefukaya.com |

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