LinkedInの世界初「エコノミックグラフ」構想と、HRで必要とされる人口知能

2013/09/26    カテゴリー: 最新動向(海外・国内)


2013年9月7日-11日、世界を代表するITの祭典の一つである「TechCrunch Disrupt SF 2013」がサンフランシスコで開催されました。このイベントでLinkedInの将来的な展望が発表されました。

今回はプロフェッショナルネットワーキングサービスであるLinkedInが、今後どのような戦略で拡大を目指すのか、またそのLinkedInが狙う未来にはHRマーケットはどのようになっているのかを予測します。

狙うのは世界初のエコノミックグラフで結ぶSNS

この動画はTechCrunch Disrupt SF 2013でLinkedInのCEO、Jeff Weiner氏がLinkedInの次のステップ、そしてさらにその先について語っている場面です。

このディスカッションで、LinkedInが目論んでいるのは「エコノミックグラフ」という新しいつながりを活かしたネットワークであることがわかります。

エコノミックグラフとは、人と人とのつながりを可視化する「ソーシャルグラフ」、興味関心を可視化する「インタレストグラフ」とは異なる視点でのつながりを指します。

LinkedInは、ビジネスに関連した企業情報の詳細から、世界中に存在する正社員、アルバイトすべての求人情報、大学での学部からサークル活動、仕事での成果等の詳細情報をすべて有機的に連携させ可視化したエコノミックグラフで世界を描き出そうとしているのです。

着実な成長を遂げるLinkedInの戦略

以下は、ここ1年のLinkedInの株の値動きです。見事な右肩上がりの成長であることが見てとれます。


ソース:http://goo.gl/OO2lFu

「エコノミックグラフ」を軸にした壮大な構想は、すでに2012年11月にはその概要をCEO自ら発表しており、今回の登壇でより具体的な構想として発表しました。

こうした計画の具体的な動きとして、LinkedInは2013年8月には大学専用ページをローンチし、9月からは13歳以上のユーザーも利用できるようになりました。

株価上昇からもわかるように、その着実な事業展開はより一層の可能性を秘めた形として進化しています。

■エコノミックグラフ×ソーシャルグラフで究極のリファーラルシステムへ

LinkedInは、これまで企業やヘッドハンターにとっては採用可能性のある人材を探すためのデータベース、求職者にとっては過去のつながりを見つけるためのアドレス帳とみなされていた部分がありました。

しかし、今後エコノミックグラフという、「プロフェッショナル」に関連する企業情報詳細から求人情報詳細、属した大学やグループ詳細に加えて、本来のSNSとしてのソーシャルグラフを連携させることで、今まで以上に親和性や深いつながりを探し出せる「究極のグラフサーチ」となる可能性があります。

さらには、ソーシャルグラフとエコノミックグラフの連携によって、これまでは従業員やヘッドハンターの介在なしでは成立しなかった「人のつながりによるリファーラル」が、「完全に自動化されたリファーラル」へと進化していくことにもなります。

もちろん個人ユーザーのビジネスに関連するより詳細の情報を獲得することで、今まで想像もできなかったようなピンポイントなターゲティング広告も可能になるでしょう。

未来の働く環境と「ヒトと会社の出会い」の関係

故ピータードラッカー氏が、「現代の職業生活に起きた最も重要な変化はなにか?」という問いに対して選んだ答えは、テクノロジーの進化でもなく、グローバル化の進展でもなく「平均余命の目覚ましい上昇」でした。

平均寿命の上昇に加え、医療技術やバイオテクノロジーの進化によって、人は今まで以上に高齢になっても健康に就業できる体力を持ち合わせることになります。一方で、労働力はどんどんテクノロジーやグローバルの多国籍からくる労働力に置き換わり始めています。

結果として、人が仕事を継続的に得るには、機械や外国からの労働力との競争に勝てるだけの専門性や経験が求められます。しかも、高度なスキルやキャリアを有する人であっても、一つの仕事は細かく細分化され、クラウドソーシングのような手法で世界中から集まったその道のトップと戦わなければなりません。こうした時代に我々は将来を見据えたキャリアを構築する必要があります。

こうした新時代に対応するにあたっては、人は自分に求められる要件、経験、努力の方向性を知る必要がありますが、その時に重要となるのが「Job Description(職務記述書)」です。残念ながら、日本では「Job Description」が確立しているとはいえませんが、企業が求める人材を明確に説明し、効率的なマッチングを実現するためにも、必要な考え方になります。

まとめ:HRこそが最先端の人工知能を必要とする時代に

HRの領域は、これから最も高度で最先端のビッグデータ解析を必要とする時代となります。

アメリカではすでに結婚する7人に1人がオンラインの出会い系サイトで知り合っています。結婚する異性の出会いは一生において1回〜数回という限られたマッチングですが、ヒトと会社、ヒトと求人のマッチングはより一層機会も多く、また与える経済的影響も大きくなります。

現在のような、転職時に入力する(本当かどうか分からない)十数項目程度のみのマッチングではなく、今後はスキルや知識はもちろん、性格や価値観、環境、風土、最近好きな雑誌、ドラマ、趣味関心、面談当日に食べたものやその日の天気、オフィス環境の椅子やキーボード、業務で使うネットサービスなど、あらゆるものが求職者の判断に大きく影響することとなり、一度の転職活動で必要とされる情報項目は数万〜数十万項目となります。

これらの情報項目は企業側にとっても同数、またはそれ以上必要となり、それらのマッチングを実現するためのアルゴリズムはもはや人的に処理できる領域ではなく、人工知能(Artificial Intelligence, AI)に頼る時代となります。

今はまだ、「HR」と「人工知能」は一緒に使われることもない用語、概念です。しかし、今後「HR領域における人工知能」開発がこの業界で最も重要な取り組みとなり、すでにそれらに対応している、またはその重要性を認識している企業こそが次の時代の人材・求職サービスとして最も価値あるサービスを提供することになるでしょう。

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