「ソーシャルリクルーティングを始めたい!でも何から?」~ソーシャルメディアを活用すること自体を目的化しないために考えるべきこと

「ソーシャルリクルーティングを始めたい!でも何から?」~企業の採用担当者がソーシャルメディア採用を始める前に必要なことでは、ソーシャルリクルーティングを始める前にどのような活用方法があるのかを知らなければならないことを説明しました。また、以下の2点を考えることで、自社の課題を整理する必要性も指摘しました。
1.これまでの採用手法で解決できていない問題があるかどうか
2.これから実現したいことで、これまでの採用手法では難しいことがあるかどうか
検討の結果、課題や問題点がはっきりし、またそれがソーシャルメディアによって解決できる可能性がありそうであれば、改めて目的をきちんと定めましよう。これでソーシャルメディア活用の実行フェーズに移ることができます。
今回は、実際の採用担当の方々がどのような課題の解決を目指してソーシャルメディアの活用を決定したのかをみていきましょう。
採用コストが高いため、コストを下げたい
やはり課題の多くが採用コストに関連するものです。採用広告にかける費用や、人材紹介にかける費用負担を軽くしたいというのは、採用担当者の共通の課題でもあるでしょう。
例えばTwitterのフォロワーを増やしたり、Facebookのファンを増やした上で、ソーシャルメディアを通して採用告知を行い、採用できれば、コストは劇的に下がるかもしれません。またFacebookのターゲット広告を効果的に活用することで、広告コスト自体を削減することも可能かもしれません。
ただし、いずれも多くのフォロワーを得るための情報発信には、人的コストと相応の期間が必要になることを忘れてはいけません。
知名度が低くて採用広告では十分に会社のアピールができない点を改善したい
一般的な採用広告では、知名度のある会社や、多額の採用広告予算を使える会社が注目を集め、応募も集中しがちです。一方、中小企業や予算の少ない企業は、露出が少なくなり、見つけてもらいにくくなりがちです。運良く見つけてもらったとしても、採用広告の限られたコンテンツ量では、その会社の魅力を十分伝えることは難しいでしょう。
この課題については、FacebookやTwitterは一つの解決策になります。求職者や学生が興味を持つ情報や、価値のある情報を継続的に発信していくことができれば、ソーシャルメディアはどんどんその情報を人から人へ広げてくれるからです。つまり予算がなくても、情報の内容と工夫次第では、会社のアピールが可能になるのです。
会社の考え方やカルチャーを伝えたい
会社の考えやカルチャーは、説明会や面談の際に伝えますが、短時間での説明で、相手に理解してもらうのは難しい側面があります。また、聞いている側にしても、企業からの説明は基本的に一方的なものであり、真実かどうかはよくわかりません。
ソーシャルメディアでは、フォロワーに対して、長期にわたって会社の情報を伝え続けることができます。会社の考え方やカルチャーを伝えるにはとても適したツールであり、説明会で情報をひと通り聞くよりも、信ぴょう性が高まるでしょう。
採用効率を高めたい。本当にリーチしたい少数の人にリーチしたい
人気企業や人気の職種が採用広告を出すと、採用枠を大きく超える応募があります。しかし、現実はその企業が採用したいと思う人材はその中のほんの一握り。その一握りの人材を探り当てるために、採用担当は大量の書類選考を行い、面接をこなし、その進捗管理をしなければいけません。
この時、本当に採りたい人材層にだけリーチし、応募を集めることができれば、採用効率は大きく高まります。
ソーシャルメディアで、ターゲット層に響く内容の情報発信をすれば、ターゲットに近いフォロワーを増やせるので、その中で採用の告知を行えば、効果的なリーチが期待できます。しかし、人気企業はそもそもフォロワーも増えやすいので、簡単ではないかもしれません。
より簡単な方法として、Facebook広告を配信するという手段があります。Facebook広告では、Facebookに登録されたユーザーのプロフィール情報を元に、ターゲットを緻密に設定して配信することができるからです。
また、LinkedInでは登録ユーザーの職歴や業務内容などを確認し、求める人材にダイレクトにアプローチすることができます。
番外編:Facebookを使ったほうがいいんじゃないかと上から言われている
番外編としましたが、意外と多いのがこのケースです。今年のFacebook報道ブームやTwitterの盛り上がりを見ると、こういう話が出てくるのも致し方ありません。
しかし、「ソーシャルリクルーティングを始めたい!でも何から?」~企業の採用担当者がソーシャルメディア採用を始める前に必要なことでも述べたように、採用にソーシャルメディアを活用すること自体が目的化しては意味がありません。しっかりと何を目的にどのソーシャルメディアをどのように使うのかを十分に検討することがなにより大切です。
参考までに、当社では2012年の新卒採用において、求人募集メディアは利用せず、ソーシャルメディアのみでの人材募集を試みました。この時、意識的に英語での情報発信を行うことにより、海外からの留学生の応募や、英語が堪能な日本人学生の応募を多数得ることができました。英語に強い人材の募集というような目的も大きな可能性があるでしょう。
どのような目的であってもかまいませんから、採用に関わるメンバーで、何のためにソーシャルメディアを活用するのかをきちんと共有し、この目的にあったメディアの活用、情報発信をしていくことが必要です。
ソーシャルメディア活用の環境を整える
課題や問題点を整理し、ソーシャルメディア活用によるその解決の糸口が見え、目的設定ができたならば、いよいよ実行フェーズです。
設定した目的にあったソーシャルメディアはどれかを選定し、企業アカウントを開設しましょう。基本的にはどのソーシャルメディアも簡単にアカウントを作り、利用を始められます。企業ページとしての作り込みや、カスタマイズをする場合は、Web制作ができる社内の担当者の協力を得たり、外部の制作会社に依頼すればよいでしょう。
また、実際に情報発信や更新を担当するメンバーの選定、また情報発信や、ユーザーからのコメントへの対応の最低限のルールを定めたガイドラインなども用意しておくと、より安定した運用が図れるでしょう。
前回と今回では、ソーシャルリクルーティングを始めるにあたって検討すべき項目を整理しました。ソーシャルリクルーティングに取り組む理由を明確にし、目的を定めることで、本当に必要な人材に出会える可能性が広がれば、企業にとっても求職者にとってもプラスになるはずです。
Image: Danilo Rizzuti / FreeDigitalPhotos.net

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