ガイアックス(GaiaX)の新卒採用担当者に聞いた!ソーシャルリクルーティングで企業の採用活動はどのように変わるのか?

2011/07/21    カテゴリー: インタビュー



株式会社ガイアックス 人事企画・総務部 大嶋 直子氏

企業向けのSNSやブログサービスなど、ソーシャルメディアの企画・開発、構築、運用までトータルサポートする株式会社ガイアックス。昨年から、Twitterを使って就職活動中の学生とコミュニケーションを行うなど、採用活動においても積極的にソーシャルメディア活用をしている。

2011年は、2013年卒業予定者を対象とした新卒採用活動において、さらにソーシャルリクルーティングを実践していく予定だ。今回は、人事企画・総務部の大嶋 直子氏に同社のソーシャルリクルーティング戦略についてお話をうかがった。

ソーシャルメディアを当たり前に使いこなしてこそ、感度の高い学生といえる

昨年から採用活動のサポートにTwitterを用いてきたガイアックス。具体的にはどういうことをやったのだろうか。
ガイアックス
大嶋氏:

「Twitterでは、自社の情報発信はもちろん、就職活動中でガイアックスに興味のある学生さんのサポートやフォローをしていました。例えば、自社のセミナーについてツイートしている人を見つけたら、フォローして声をかけてみる、ということをやっていました。

そもそも、Twitterを採用活動に活かそうと思ったのは、『情報感度の高い学生は、ソーシャルメディアを使いこなしているのではないか』と考えたからです。ガイアックスの主力事業はソーシャルメディアです。2010年の時点で積極的にTwitterを使っている学生に声をかけることで、ソーシャルメディアや新しいコミュニケーションスタイルに関心の高い学生に直接アプローチしようと思ったのです。次世代のサービスを創れる人は<今>を正しく捉え、ソーシャルメディアを「当たり前」のように活用しているはずと考えています。

もう一つの理由は自社が新卒として採用する人数が5人から7人と決して多くないことです。大手の求人媒体などを使えば、多数の学生に知ってもらうことができ応募も期待できますが、本当に自社が求める人材と出会えるかどうかはわかりません。ターゲットとする学生は、TwitterやFacebookにいるのではないか、という仮説をたてて採用活動に取り入れることにしました。

「〇〇のサービスをつかっている学生が感度が高い」という考え方よりは、TwitterやFacebook等複数のソーシャルメディアを用途に応じて日常生活の中で使いこなしている学生こそが、感度の高い学生と言えるのでははないかと考え、Facebookをはじめ、LinkedInなど新しいソーシャルメディア上での採用活動も展開していきます。」

「飾れない時代」の採用力とは

ソーシャルリクルーティングで企業の採用活動はどのように変わるのだろうか。

大嶋氏:

「ソーシャルメディア上では、企業の知名度よりも、発信している内容で注目してもらうことができます。

従来は、宣伝や広告にコストをかけられる企業ほど、『きれいなページ』を用意することができました。学生はきれいなページの企業、目立つ場所に広告が掲載されている企業をよい企業と考え、そこに応募しがちです。こうした場合、企業の本質が見えないまま入社してしまう可能性が高く、入社後にミスマッチが発覚することがあります。また広告を出していない企業に良い企業があっても学生はその存在を知ることができません。

しかし、今はソーシャルメディア上で価値の高い情報を発信をすることで、大企業のような知名度がなくても学生が見つけてくれるようになりました。一方で、いくらきれいなページを作っても、質の高い情報を発信できない企業の評価は下がります。

ガイアックスでは、全社員が利用する社内SNSに加え、2012年の内定者用のFacebookグループを作り、情報交換ができるようにしています。またすでに働いている社員と内定者につながりをもってもらい、やりとりができるようにしています。こうした中で、採用募集広告だけではなかなか伝えることのできない企業の飾らない本当の姿、社員の働く実態などをつかんでもらえればと思っています。

こうした取り組みが一般的になれば、採用活動において企業は飾れない時代になるでしょう。飾れない時代によい人材が獲得できる企業が本物の採用力のある企業だといえるのではないでしょうか。」

学生のセルフブランディングも重要なスキル

企業だけではなく、学生も就職活動にソーシャルメディアを活用している。企業から見て、ソーシャルメディアの活用に積極的な学生はどう映るのだろうか。

大嶋氏:

「これまでは、エントリーシートを上手く書き、面接という時間が制限された中でアピールすることが得意な学生が内定をたくさん取れる傾向にありました。これからは、選考の時間内だけでなく、ソーシャルメディアを使って学生時代に何をやってきたかをアピールすることができます。

企業も学生の発信する情報を見ることで、選考中にはわからなかった学生の一面に気付くことができ、よりマッチ度の高い採用につなげられるのではないでしょうか。また、就職活動のスタイルそのものを変える学生も出てくる可能性が高いとも思います。弊社のインターン生の例ですが、Facebookを通じて会いたい経営者とアポをとり、特別に選考して頂いたりと、攻めの就職活動を行っている者もいます。

Facebookは実名が原則ですし、個人の活動をアピールしやすい場所です。企業が利用するのはもちろんですが、学生が自分がこれまでやってきたことをアピールするセルフブランディングの場として活用していくようにもなるでしょう。

すでに自分のFacebookページを作ってアピールしている学生もいます。他社の事例ですが、それを見た企業の方から学生に声をかけて内定を出したということも実際にあります。

ガイアックスの場合でも、面接に来た学生をソーシャルメディア上で知っていた、ということもあります。それが必ずしも内定に結びつくかどうかは別ですが、面接やエントリーシートだけでは見えてこなかった学生のエピソードを引き出すきっかけになることも多々あります。

これからの就職活動生は、自分の名前を検索したときに、どういった情報やコンテンツが表示されるか、ということを設計できるようなリテラシーの高さが求められるようになるでしょうね。

今年は、ソーシャルメディアでセルフブランディングする学生がさらに増えるのではないかと予測していますし、そういう意識の学生が増えるといいなと思っています。」

ターゲットごとの採用Facebookページを運営予定

同社では、採用専用のFacebookページを用意している。その中でFacebookアプリのSocial Job Postingを使って、会社説明会の募集と申し込みができるようにしている。今後は、どのようなFacebookページの運営をしていくのだろうか。

大嶋氏:

「会社関係のFacebookページとしては、企業の公式ページ、採用のページ、さらにサービスごとのページなどがあります。現在の採用ページでは、新卒採用、中途採用、インターン採用がすべて一つのページになっていますが、今後はそれぞれで別のFacebookページに分けて運用していこうと思っています。

TwitterでもFacebookでも、フォローしているユーザーにとって興味のない情報、関係の無い情報を流すアカウントというのは、避けられやすい傾向にあります。よって、あらかじめ目的を明確にしてターゲットを絞った運用をする必要があります。

また、これはソーシャルメディア全般に言えることかもしれませんが、ただページを作っただけでは効果は見込めません。使い方も工夫次第というところが魅力ですが、こうすれば成功するという正解はないので、日々いろいろなことを試行錯誤しながらやっています。」

ガイアックス(Gaiax) Facebookページガイアックス(Gaiax) Facebookページ

ソーシャルリクルーティングはコスト削減につながるか?

これまでの求人媒体を使った採用活動と比較して、ソーシャルリクルーティングはコスト削減につながる、という見方がある。実際はどうなのか。

大嶋氏:

「まだ、完全に採用活動のすべての過程でソーシャルリクルーティングを実施しているわけではないので、効果についてはわからないところがあります。でも、通常の採用広告とは違った効果が生まれるのかなとは思っています。

例えば、ガイアックスのセミナーに来た学生が、Twitter上で自分の友だちに「ガイアックスはあなたに向いていそうだよ」と勧めているのを見かけたこと事もあります。実際、セミナーを知ったきっかけがTwitterやFacebookという人もいます。ただ、どこまでがソーシャルメディアの影響なのか、という効果測定が難しいですね。また、採用管理ツールなどを利用する場合はその費用もかかりますし、TwitterやFacebookの運用にも人件費という忘れがちなコストはかかっています。

単純に応募者の母数を増やすということに限れば、まだ求人媒体のほうに分があるでしょう。ただ、母集団を多く集めればいいというわけではないので、採用戦略の中でのソーシャルメディアの位置付けをどのように設計するかで費用対効果が決まると思います。」

正しい情報が循環する世の中に

最後に今後ソーシャルリクルーティングに期待することについてうかがった。

大嶋氏:

「応募者の情報も、採用する企業の情報も正しく伝わるようになることを期待しています。

企業と応募者がコミュニケーションをしたり、企業の情報を友達同士で交換したり、企業が応募者の普段のやり取りを見たり、ということで、お互いに『飾らない姿』が情報として循環するといいなと思います。

それが結果として、応募者にとっても企業にとってもミスマッチをなくすからです。最終的には対面のコミュニケーションが大切なことに変わりはないので、ソーシャルメディアだけで採用活動が完結する、ということは少ないと思います。しかし、まだ社会で働いた経験の少ない中、企業を見極めなければならない学生にとって、生きた情報を得るための強い武器になることは間違いないと思います。いかに自分に必要な情報を集められるか、またその中から正しい情報を取捨選択できるかが今後の就職活動の鍵になります。これまで以上に、企業も学生も正しく情報を伝え合うためのツールにソーシャルメディアが育つことを期待しています。」

インタビューを終えて

採用活動の一環としてソーシャルリクルーティングを取り​入れているガイアックス。同社はいわばソーシャルメディ​アのプロフェッショナルだけあって、目的設定、仮説に基​づいた計画、実際の運用など、すべてにおいて戦略的に実​施していることがわかった。

大嶋氏の言葉「飾れない時代​」はまさにソソーシャルリクルーティングの本質を言い当​てているように思った。これからの採用活動を考えるにあ​たって、先進的な採用活動を実施するガイアックスの動向​は大いに参考になるだろう。

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