注目の企業PR手法! 「エンプロイヤーブランディング」とは何か

2011/07/13    カテゴリー: ブランディング



「○○社は、水やコーラが飲み放題でランチと夕飯が無料らしい。」

「☓☓社は、会議室に椅子がない上に、歩く速度が廊下に表示されているらしい。」

「△△社は、節電のため夏はサマータイムが導入され、半日は自宅作業らしい。」

エンプロイヤーブランディング

いろいろな企業の職場環境についての噂を聞くことがあります。こうした職場環境のイメージというのは、就職を考えている人にとってその企業に応募するかどうかを判断するポイントの一つでもあります。

そこで今、注目されているのが
エンプロイヤーブランディング
という考え方です。

これはソーシャルメディアが台頭するに連れて注目され始めた新しい企業PRの手法の一つです。

 
エンプロイヤーとは、雇用主、雇用者のことです。企業や製品のブランディングと同様に、
雇用主として企業という「職場」をブランディングしていくことをエンプロイヤーブランディングと呼びます。

今回は、エンプロイヤーブランディングとは何か、ソーシャルリクルーティングとどういう関係があるのかを考えてみましょう。

エンプロイヤーブランディングの定義

エンプロイヤーブランディングといっても、アメリカでも新しい概念で、意識している人はまだまだ少ないのが現状です。定義はいくつかあるようですが、代表的な以下の二つを紹介しましょう。

まず、エンプロイヤーブランディングのストラテジストで、関連する複数の著書があるBrett Minchingtonは以下のように定義しています。

従業員および外部の市場のステークホルダー(能動/受動的な応募者、クライアント、顧客、およびその他ステークホルダー)が考える「働くためのすばらしい場所」としての組織イメージ

 
続いて、採用活動のためのエンプロイヤーブランディングのコンサルサービスを展開するUniversumでは、以下のように定義しています。

エンプロイヤーブランディングとは、望ましい現在の人材、そして将来の理想的な人材にアピールするために企業が用いる戦略

 
つまり、エンプロイヤーブランディングとは、企業の人材採用、確保にあたって、職場が魅力的であることをアピールするための方法です。Universumの2010年の調査によれば、経営者層で、エンプロイヤーブランディングは重要な戦略になると回答した割合は47%にのぼったそうです。経営者層が重要だと考える理由は、優秀な人材を獲得することが企業活動の成功に大きく影響するからでしょう。

特にソーシャルメディアによって、企業がその職場環境や会社の雰囲気などをアピールすることが以前よりもずっと身近になったため、エンプロイヤーブランディングが注目されるようになったということができます。

エンプロイヤーブランディングとソーシャルリクルーティング

ソーシャルリクルーティングとは、ソーシャルメディアを活用した人材採用の手法です。エンプロイヤーブランディングは、ソーシャルメディアやその他のメディアを使って、職場をアピールすることです。

両者はどのような違いがあり、どのように関連しているのでしょうか。オンラインのQ&AサイトQuoraで、両者の違いについてのディスカッションを見つけました。代表的な意見をピックアップして紹介しましょう。

quoraエンプロイヤーブランディングとソーシャルリクルーティングが、どちらがどちらの一部というわけではないが、相互に関連するものだと思う。

ソーシャルリクルーティングはソーシャルネットワークを使った採用活動だが、従業員がブランドの代表として振る舞い、自分のソーシャルネットワークでブランドをシェアすることは、ソーシャルリクルーティングとエンプロイヤーブランディングの両方になるだろう。

ブランド確立のためにFacebook広告を配信することは、ソーシャルリクルーティングではないが、エンプロイヤーブランディングだ。

LinkedInを使って人材とつながることはソーシャルリクルーティングだが、エンプロイヤーブランディングではない。

quoraエンプロイヤーブランディングは、従業員が期待していることを理解することから始まり、その上で潜在的な従業員(エンドユーザー、あるいはコンシューマーなど)とコミュニケーションすることだ。

ソーシャルリクルータは、採用活動においてエンプロイヤーブランドをツールの一つとして利用する。ソーシャルリクルーティングは新しい手法であるが、従来の方法とかわらない部分もある。違いは、人事は応募者にアクセスしやすくなったのと同時に、応募者もその企業で働くということがどういうことなのか、知ることができるようになったことだ。

エンプロイヤーブランディングがうまくいっている企業とは?

The Great Place To Work Instituteは、職場環境や従業員の意識などを調査する団体で、その分析結果は雑誌Fortuneで毎年「Best Companies To Work For」としてランキングされています。このランクにのっている企業は、エンプロイヤーブランディングがうまくいっていると評価することができるでしょう。

このランキングを見てみると、必ずしも売上が多いところ、設備が立派なところが上位になっているわけではないことがわかります。

この団体が「Great Place To Work」と定義する企業とは、「信用している人のために働き、自分の仕事に誇りをもち、一緒に働いている人と楽しめる」場所だいうことで、評価項目などが詳しく解説されています。

エンプロイヤーブランディングとは、職場環境の魅力をアピールすることではありますが、最初のステップはもちろん「本当に魅力的な職場を作る」ことにあるといえるでしょう。

エンプロイヤーブランディングという視点からの採用活動

これまで、職場の雰囲気、文化、一緒に働く人との相性などは、「入ってからでないとわからない」ものと思われていました。

しかし、ソーシャルメディアによって、企業がユーザーとコミュニケーションをしたり、ブログで考え方を発表することができるようになってから、すこしずつ変わってきたように思います。

「社内で毎月イベントをやっています」ということが魅力的に思う人もいれば、逆に苦手だな、と思う人もいるでしょう。すでに従業員になっている人の満足度を高め、そして飾らない企業の文化や雰囲気をアピールする「エンプロイヤーブランディング」をすることが、最終的に自社にマッチした人材を確保する第一歩なのかもしれません。

Image: Sura Nualpradid / FreeDigitalPhotos.net

Forkwell
▼ブログの更新情報はコチラから
facebook
twitter
RSS

関連記事

■ライター

Main Writer
株式会社grooves
池見 幸浩
Yukihiro Ikemi

■Social Link

facebook
「いいね!」お待ちしています!
twitter
「follow」お待ちしています!
RSS
RSS登録お待ちしています!
Google+ページ
Google+ページ作成しました!