過去20年間で人材採用はどう変わったか?インフォグラフィックで見る「ITテクノロジー×採用」の変化

先日、MashableにてJobviteが作成した「求人募集のテクノロジー:ソーシャルでの歴史」と題したインフォグラフィックが取り上げられていました。
▼The History of Social Recruiting Technology [INFOGRAPHIC]
http://mashable.com/2012/05/13/social-recruiting-technology/
このインフォグラフィックでは、過去20年間の採用活動における技術の進化とこうした技術がソーシャル化することでもたらされる効果が説明されています。ソーシャルリクルーティングという考え方や仕組みが急に出てきたのではなく、20年間の歳月をかけてテクノロジーの進化とともに、より効率的で効果的な採用を実現するために少しずつ進化を遂げてきたということがよくわかるインフォグラフィックです。
このインフォグラフィックは「ソーシャルリクルーティングの世界」のFacebookページでもご紹介したのですが、英語の文字量が多いため意味が取りづらい!というご意見をいただいたきました。そこで今回は、このインフォグラフィックを翻訳した内容をお伝えすることにしました。
このインフォグラフィックから、現在では「65%の求職者がソーシャルメディアを使って職探し」をしているというアメリカでの採用技術の変遷がよくわかるでしょう。
なお、国内外のソーシャルリクルーティングの歴史については、以下のインフォグラフィックでも紹介しているので、合わせてご覧ください。
2011-2012版:日本のソーシャルリクルーティング動向が分かるインフォグラフィック年表
http://www.social-recruiting.jp/archives/9659日本のソーシャルリクルーティングの歴史が一目でわかる!インフォグラフィック!
http://www.social-recruiting.jp/archives/3497
求人募集のテクノロジー:ソーシャルでの歴史
ソーシャルメディアの台頭により、ソーシャルメディアを介して職を探す求職者が増加している。これは同時に、採用側にもソーシャルメディアにマッチした求人技術が求められているということでもある。過去20年間において、求人という分野における進化を見ていこう。
1990年代 – 採用側の自動化
■履歴書のデータベース化
積極的に使われた理由
採用担当者は履歴書に対してキーワード検索などを行うことが可能になり、容易に応募者のふるい分けができるようになった。
ソーシャル化が必要な理由
履歴書のデータベースは古くなっていく。求職者は履歴書の更新よりもソーシャルメディアでのプロフィール更新を頻繁に行っている。採用担当者はソーシャルメディアを利用することで、履歴書を最新の状態にすることが可能となる。
Pewの2011年調査
成人の65%がソーシャルメディアを日常的に利用している。
■自動化
49%のアメリカ人がソーシャルネットワーク上で新しい転職先を探している。
積極的に使われた理由
応募者との関係性や連絡事項などの管理をしやすくしていた。
ソーシャル化が必要な理由
300を超えるソーシャルメディアが存在する現在、応募者を自動的に追尾するシステムがなければ、エンゲージのしようがない。
■調整可能なワークフロー
55%の企業がソーシャルメディアでの採用活動に対し、さらなる投資を計画している。
積極的に使われた理由
採用担当者は自社の採用手法にあわせたワークフローを構築することが可能であった。
ソーシャル化が必要な理由
多くの応募者や企業がソーシャルネットワークを利用するようになっている。ソーシャルに最適化できないATS(応募者を自動的に追尾するシステム)では最適な応募者を見つけることができない。
■企業の採用ページ
積極的に使われた理由
応募者は企業の採用ページにアクセスして、職を探していた。
ソーシャル化が必要な理由
多くの企業の募集ページはユーザーフレンドリーではなかったり、募集要項が厳格であるため、応募者が逃げてしまう。
2000年代中盤 – 応募者側の革新
■ソースの分析
積極的に使われた理由
採用担当者は、よりよい採用戦略を構築する上で、何がうまくいき、何がうまくいかないのかを理解できるようになった。
ソーシャル化が必要な理由
ブログやオンラインコミュニティーなど、かつてない数えきれないほどのデータが利用可能になった分、採用者はリアルタイムでのそれぞれの追跡が難しくなったともいえる。ソース情報とソーシャル分析へのリアルタイムなアクセスが非常に重要になってきている。
Facebookには約8億人、リンクトインには1億3,500万人の利用者がいる。
■採用側のマーケティング
積極的に使われた理由
インターネットを利用することで、採用側は応募者のポテンシャルを発見したり、影響力などをはかることが可能になった。
ソーシャル化が必要な理由
真に能力のある者を見つけるためには、採用者はあらゆるソーシャルプラットフォームを利用し、リーチ、分析、採用を行うツールを持たなければならない。
■コンプライアンスの進歩
積極的に使われた理由
採用者は法に則ったやり方で応募者を追跡したり、採用することができた。
ソーシャル化が必要な理由
企業には今でも以前と同じコンプライアンスや透明性が必要である。ソースの利用がソーシャル化されても、コンプライアンスの報告には、自動化とソーシャルとの融合は必要である。
■面接とオファーのマネジメント
Ventanta Research社の調査によれば、調査対象とした企業の内、93%の企業が既にソーシャルメディアを利用して採用活動している。
積極的に使われた理由
面接から採用までを合理化することで、採用側の時間に余裕が生まれ、より質の高い応募者を選出することが可能になった。
ソーシャル化が必要な理由
現在、採用側と応募側は以前とは異なる方法で結びつくようになった。ソーシャルを導入することで、選出過程がより合理的になり、あらゆる面で効果が出るようになった。
■求職者との関係性マネージメント
積極的に使われた理由
採用担当者は、より能力の高い応募者に対するコミュニケーション手法と関係性を管理する新しい手法が存在することに気づいた。これにより、応募者との経験をこれまで以上に進め、関係性を構築することが可能となった。
ソーシャル化が必要な理由
今日、ソーシャルメディアを身につけた採用担当者は以前よりもうまく立ち回ることができるようになった。CRMにソーシャルを統合することで、採用側は時間の節約が可能になり、多くの時間を求職者との関係性構築に費やすことができる。
Abergreen Groupの調査によれば、応募者との交わしたすべてのコミュニケーションを日常的なCRMの処理としているトラッキングしている組織は、ソーシャルを利用していない企業に比べ、40%優位に立っている、と報告している。
2000年代後半 – コラボレーション
ATSにソーシャルを統合した企業が閲覧した、企業間をまたいだ紹介数は35%から67%に増加している。
ソーシャルは応募者を見極める上でのキーである。テクノロジーが時代の変化に結びつき、よりソーシャルとの融合が可能となったことで、結果として採用コストの削減、合理化されたワークフロー、質の高い応募者の増加を促している。
まとめ:効率的にぴったりの人物を採用するための仕組み
求職者の情報がデータになることで、当初は検索の効率性などが上がりました。しかし、すぐに情報が古くなってしまうことから、今該当の人物が何をやっているのかを追跡する技術、さらに採用に関するプロセスを効率化させた上で、求職者とよりよい関係を築くための技術が進化していることがわかります。
日本国内では、まだ応募者を追跡するような仕組みが大々的に活用されていることはありません。しかし、Social Job Postingの「タレントプール」機能のように、その時採用できなくても、将来的に採用ができるような、企業と求職者の関係を維持するような仕組みが登場し始めています。
求職者と企業がよりよい関係を構築でき、両者ともが満足できるような採用活動/求職活動のための、技術のソーシャル化は今後さらに発展していくことでしょう。
Image(s): FreeDigitalPhotos.net

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